iOS用のマッチングアプリを出してみて「ほぼ」一発で審査に通って分かった大切なポイント

半年ほど前からコツコツと進めていたプロジェクトが最近やっと一段落しそうです。どんなプロジェクトかと言うと、今人気のマッチングアプリを開発するものです!

ひと昔前には「出会い系」と言うとダークで怪しい雰囲気があったのですが、近年ではマッチングという言葉が一般的になりつつあり、若い男女が当たり前のようにそれらのアプリを使うようになってきました。

作ろうと思った理由

アプリストアを覗いてみると数多くのマッチングアプリが既に存在していることが分かると思います。でも、それらのアプリは現実世界でも「ある程度、恋愛経験」がある人を対象にした作りになっているものがほとんどです。

恋愛経験のない人が「自分は恋愛経験ないけど、アプリならいい人に会えるかも」と思って使ってみても全然うまくいかないなんてことがよくあります。それで「やっぱ、自分はだめなんだ。。」って自信を失くしてしまう人も少なからずいるはずです。

そんな人達を応援するサービスが作りたくてアプリとしてリリースすることにしました。

マッチングアプリの審査は一筋縄ではいかないらしい

僕自身、これまでに個人で複数のiOSアプリをリリースしているためアプリの審査を通す際に、どの辺りに気をつけなくてはいけないのかはある程度知っていました。

しかし、今回はマッチングアプリということもあり分からないことだらけでした。ネットで「出会い系 アプリ 審査」などのキーワードで調べてみると、20回以上リジェクトをされてリリースが大幅に延期したなどの情報もあり戦々恐々としていました。

やった!奇跡的にほぼ一発で審査通過

リジェクト内容によっては大幅にリリースが遅れる可能性があるため、開発をフルスピードで進めた後、緊張のアプリ申請をしました。

そしたら、ほぼ一発で審査を通過することができました!(なぜ「ほぼ一発」なのかについては後ほど説明させていただきます)

実はこんなに上手くいったのにはワケがあります。それは、これまでにマッチングアプリをリリースした先人達の知恵がネット上にあったからです。

それらの情報を元にアプリのUIや機能を変えたり、しっかりと申請に向けた準備を行ったことが今回の「ほぼ一発通過」に繋がったのだと思います。

今回は先人達の知恵も含めて、マッチングアプリを審査に出すときの大切なポイントについてお話ししたいと思います。

もちろん、審査官によって判断基準にバラつきはあるので、この通りにやれば必ず審査に通るとは言えません。しかし、リジェクトされる回数を大幅に減らすことはできると思います。

アプリの機能面について

ユーザーがコンテンツを生成して、他のユーザーとそのコンテンツを共有する類のアプリにおいては開発段階から機能面で気をつけないといけないことがあります。

利用規約が用意されている

ユーザーがより多くのコンテンツを生成することで初めて価値がでてくるアプリの場合は事前にユーザー登録などの機能が必要になってくると思います。

そこで、大切なのがユーザーに対して利用規約を明確に示す必要があるということです。サイトやアプリの目立たないところにコッソリとリンクを置くのではなく、目につくところに配置する必要があります。

僕が今回作ったアプリではユーザー登録画面で「登録ボタン」の下に利用規約へのリンクと、同意する旨について配置しました。

見たくないコンテンツをブロックできる

不特定多数のユーザーが好きなコンテンツできるサービスを提供する場合には、そのユーザーにとって不適切なコンテンツをブロックできる機能が必須となります。

何がブロックの対象になるかはアプリの特性によります。たとえば、ツイッターのようなつぶやきを投稿するアプリであれば「つぶやき」そのものにブロックするボタンなどを追加する必要があります。

今回のマッチングアプリでは個別のトークルーム内でユーザーをブロックする機能を実装しました。

 

危険なコンテンツ、ユーザーを通報できる

さきほどのブロックと似ていますが、ユーザー投稿型のシステムでは不適切なユーザーやコンテンツを管理者にたいして通報できる機能も必須となります。

今回のマッチングアプリでは各ユーザーのプロフィールにたいして「通報する」というボタンをつけて対応しています。運営者側では通報内容を確認して対応する体制が必要になります。

この部分についてはレビューワーからも突っ込まれる部分なのでシッカリと準備しておくことをオススメします。

マッチングアプリの通報機能

マッチングアプリの通報機能

決済周りについて

アプリ内でなんらかの支払いを行う場合にアップルの決済システムと外部の決済システムのどちらを利用しなくてはいけないのか分からない場合があります。その決済で手に入るプロダクトがどんなものなのか、という点がポイントになります。

In App purchaseを使わないとダメな場合

基本的にデジタルコンテンツを販売する場合はIn App purchaseを使わないといけないようです。たとえば、以下のようなものです。

  • 魔法石
  • スタンプ
  • いいね数
  • コイン

その他にもアプリの機能制限が解除できるアドオンや月額制で機能制限が解除されるアイテムの場合もIn App purchaseを使う必要があります。

  • 広告が消えるアドオン
  • 月額制の有料会員

今回僕が作ったマッチングアプリには30日間だけチャット機能が使えるようになる有料チケットがあるのですが、そのチケットの決済について in App purchseを使っています。

他の決済システムを使ってもいい場合

次のような場合は他の決済システムを使うことができるようです。

  • 実際に存在する商品を販売する場合(洋服や服など)
  • 購入者に対して実際にサービスを提供する場合

デジタルコンテンツではなく、実際に存在している商品などを販売する場合や、無形ではあるものの購入者に対して実際にサービスを提供する商品に関しては他の決済システムを使うことができます。

今回のマッチングアプリではサポーターがチケット購入者にたいして、アドバイスを行うという部分があるため、ここに関しては外部のStripeを使って決済をしています。

審査について

マッチングアプリを審査にだす場合には、しっかりと必要な情報を準備して審査に臨むことが大切になります。ここでは、僕が今回の審査時に実際にやったことをお話しします。

頑張って英語で書く

アップルの審査についていつも疑問に思っていることがあります。それは、レビューをする人が外国人なのかまたは日本人なのかということです。過去にリジェクトされた内容からみると日本語がわからないと気づかないような点について指摘されたことなどもあるのですが、レビューワーの返信が英語で返ってくるため少なくとも日本人がやっている可能性は低いように思えます。

アプリを審査にかける際にレビューワーに対して補足情報を伝える欄があるのですが、そこでは英語を使って説明するのがいいように思えます。日本語で書いても問題ありませんが、拙い英語であってもシンプルな文法を使って説明することをオススメします。

アカウント種類別について説明する

アプリ内で一般アカウントや管理者アカウントなどの、複数のアカウントが必要になる場合は各アカウントの目的や役割について英語で説明するのがベターだと思います。また、実際に審査用に作成された各アカウントのログイン情報も提供しておくのがいいでしょう。

フローが確認できる動画を用意する

先ほどの説明と重なるところもあるのですが、各アカウントの種類別に実際にアプリを使用している画面を動画で撮影するといいでしょう。この動画を通してレビューワーがアプリ内のフローについて確認できるようになります。

僕の場合はQuickTimeを使って撮影した動画をドロップボックスにアップして、審査時のコメント欄にリンクを貼り付けておきました。

なぜ「ほぼ一発」なのか?

今回、アプリの審査に通ったものの「ほぼ一発」と言っているのには理由があります。それは、最初の審査でリジェクトされてしまったからです。

リジェクト理由としては「不適切なコンテンツをブロックする機能がついていない」というものでした。

実際にはブロック機能がついていたのですが、それが上手くレビューワーに伝わっていなかったのが原因と思われました。そこでレビューワーに対してブロックする方法や運営側の管理体制について英語で返信をしたところ、無事に審査を通過することができました!

ユーザーがサービス上で交流できるアプリを作る場合、注意しなくてはいけない点がいくつかあるという事がわかったと思います。みなさんもアプリを作る際には、これらのポイントを踏まえながらスムーズなリリースができるようにしていきましょう!